中目黒の中心エリアから少し外れた裏路地に佇んだショップ『Waltz(ワルツ)』。開放感のあるファサードに重厚感のある漆黒の鉄扉が印象的なここは、良質な”アナログ”をキーワードに貴重なカセットテープやヴァイナル、国内外のヴィンテージ雑誌、ラジカセなどが揃う専門店だ。繁華街や大通りに面することなく、ひっそりと構えたお店の場所からも既に名店を匂わす薫りが漂ってくる。オーナーを務める角田さんは、かつて「アマゾン」でリテイル部門の事業部長を長年務めていた経歴を持ち、流通や音楽業界には明るい人物。昨年、昔からの夢でもあったという自身のお店をオープンさせたのだという。しかし、なぜ今カセットテープなのか。そして順風満帆であったはずの環境から脱却したその真意を訊いてみた。「時代の流れとともに革新的な技術の進化とインターネットの普及によって、前職では大きな躍進を体験できました。しかしその反面自分が好きなアナログへの価値観が一般的に排他的になっていくようにも感じられました。そんな中で、その反動を逆手に、今自分のやりたいコトにチャレンジするしかないと一念発起したんです」。